インタビュー スノーボード

自分で主体的に動く人が増えればもっとスノーボードは盛り上がる┃伊東真悟さんインタビュー

2021年11月12日

片品発スノー用品専門フリーマーケット「SNOWBOARDER'S MARKET」は今年が2回目の開催。スノー用品専門のフリーマーケットというのは珍しく、自分が知る限りではここだけだと思います。スノーボードをキッカケに、片品という土地の魅力に触れながら、地元の方々、観光客、スノーボーダーをつなぐ素晴らしいイベントです。今回はSNOWBOARDER’S MARKETを主催されている伊東真悟さんに、開催までの経緯やフリーマーケットへの思いをおうかがいしました。

伊東真悟さん

片品発のスノー用品専門フリーマーケットということですが、ご出身もこちらだったのですか?

地元は青森県です。大学の時に東京に出てきて、東京で最初は就職をしました。その時にスノーボードにどっぷりハマってしまって沼田に移住しました。移住して11年くらいになりますね。

オフシーズンや普段は何をされているのですか?

薬剤師の免許を持っていまして、薬剤師として勤務する傍ら、オフシーズンはラフィングのガイドをしています。最近はカヌーやSUPに移行していて、自分でカヌーツアーやSUPツアーもやっています。

SUPツアー

スノーボードのインストラクターをやってらっしゃるということですが、冬はどのような活動がメインなのでしょうか?

スノーボードのインストラクターがメインです。どこかに所属しているわけではないので、自分でスクールのメンバーを募って、単発でスクールを実施したり、固定メンバーの方々にはシーズンを通しての成長をお手伝いしています。スキー場は固定しておらず、シーズン初めは丸沼、雪が増えてくれば尾瀬岩鞍で滑っていますね。毎年、10人前後の生徒さんを教えています。

伊東さんのライディング

241:薬剤師、インストラクター、ツアーガイド、伊東さんめちゃくちゃ多彩ですね。

スノーボーダーズマーケットをやり始めたきっかけを教えて下さい

後にフリーマーケットに繋がっていくのですが、カービングの大会を主催することから始まりました。スノーボード業界をなにかしら盛り上げたいという気持ちがずっとあって、クラウドファンディングで大会を立ち上げました。主催者がいて、そこに参加者が参加するだけの大会ではなく、大会を作り上げるところから参加してもらいたいと思い、クラウドファンディングという形を取りました。クラファンってお金を集めることだけが目的ではなく、みんなでやろうよっていう意思表示なんだと僕は考えてます。

自分から主体的に動く人が多ければ多いほど、業界は多分盛り上がると思っています。フリーマーケットであれば、売る人は必ず主体的に参加することになりますよね。そうやって自分ごととして動く人が増えれば嬉しいです。

今年が2回目の開催ですが、出店数はどうですか?

去年よりも増えました。来場してくださっている方々も去年よりも多いと思います。

たくさんの人が訪れた

地元の方とかの出店とかもあるんですか?

かたしなマーケットという地元の人が月一回、飲食店等をマルシェ的な感じでやっているイベントがベースにあります。それを見ていて、同じような感じでスノーボードも絡められたらおもしろいなって思っていました。地元の人たちがお店を出していて、それを実際に買いに来て、人と人のつながりが見えるマーケットっていいですよね。

241:紅葉シーズンの片品村って良いですね。こっち方面に来るのって雪が降ってからなので、足を運ぶ機会として非常にいいと思いました。

シーズン前の気分が盛り上がっていく時期にやりたかったというのあって、この時期を選びました。スイスでは、スキー場の麓に街があって、シーズン前にはスキー場開きのお祭りみたいなことをやっているというを聞いたことがあったので、そういうイメージでやっています。

241:たしかにヨーロッパのスキー場の麓はそういう雰囲気がありますね。

片品すごくいいところなんですよ。11年住んで、色んな人達と繋がれたし、スノーボーダーもどんどん移住してきていて、おもしろい人がいっぱいいる。すごく楽しいです。なので、地域とスノーボードを絡めてなにかやりたいという気持ちが出てきました。

地元のはちみつを使ったクレープとカフェラテ

スノーボーダーズマーケットの開催に際して苦労した点はありましたか?

全然ないです。もともと片品マーケットというベースがあったのは大きかったですね。「こういうのをやってみたい」という連絡を入れたら、すぐに打ち合わせの場を設けてくれて、「村の後援を出すので是非やってください」となりました。

スノーボーダーズマーケットの他になにか企んでることはありますか?

ここが地元で生まれ育った人でも、意外とスノーボードやスキーをやる人が少なかったりするので、地元の人向けに親子スノーボード教室をやりたいと思っています。スノーボードを始めやすい環境を提供したいですね。素晴らしいスキー場がこんな近くにあって、やらないのはもったいないと思うので是非親子で楽しんで欲しいという思いがすごくあります。

子どもたちがSUPで楽しめる機会を提供

このイベントは毎年の恒例になっていくのでしょうか?

毎年やります。できれば各地でスノーボーダーズマーケットをやって欲しいですね。僕がやるのではなくで、その土地の人が自分のプロジェクトとして立ち上げて主催して欲しいです。そういう輪が段々広がっていくといいなと思っています。

241:地元の人たちと横乗り好きな人がフリーマーケットを通じて繋がれるっていうのはいいですよね。

地域の色とかも出てくると思います。例えば湘南であればサーフスノーイベントみたいにできますよね。湘南でやったら絶対おもしろいですよ。

241:道具って使っていると、愛着が湧くので買い手の顔を見れるのも良いですよね

実際に話してストーリーも共有できますしね。フリマアプリは便利だけど、そういうところは希薄です。スノーボーダーズマーケットが文化的に広がると嬉しいなと思っています。

地元の仲間も訪れる
板の説明をする伊東さん

自分でアクションを起こす人が増えると、業界も盛り上がるというのはすごく納得感があります

ここまででもお話していますが、自分で動く人がちょっとでも増えたらいいなと思っています。例えばスウェーデンとかだと、「選挙に関心がありますか」というアンケートを取ると、「関心がある」と答えるパーセンテージは日本と変わらないんですけど、一方で「自分の行動が社会に影響を与えると思う」と答える人は日本よりもかなり多いんです。 これは「関心」と「行動」の間には壁があって、それを「自分事として考えるという意識」が壁を超えていくということだと思います。 フリーマーケットだったら自分で売る側に回って、主体的に動いたという経験を作るいいキッカケになると思いますよ。消費者から一度、こちら側に回ってみるとまた世界の見え方も変わるはずです。

少し行動してみようという人だったら、このスノーボーダーズマーケットは全国で余裕でできちゃうと思います。僕は、この活動の輪がどんどん広がっていけば嬉しいです。

241:自分も主体的に動くって大事だと思いますね。過去を振り返ってみると、自分で動いてきたことがそのまま自分の人生になっていて、経験も人間関係も財産になっています。スノーボーダーとして、少しでもスノーボード業界を盛り上げていきたいので、伊東さんのように具体的なアクションをもっと起こしていきたいと思いました!また来年も参加したいですね。

  • この記事を書いた人

Takahiro241

年間滑走100日の横乗りLOVER。スノーボード歴15年、サーフィン歴3年、スケボー歴8年。ランニング、サッカー観戦、カメラなど趣味が多いです。

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