4月1日にちなんだ内容を書こう。学生自体にスノーボードが好きになった新社会人に向けて、おれから伝えたいことは一つ。
「ライフスタイルとして楽しむスノーボードに終わりはない」ということだ。
学生と話していると、就活や社会人が近づくにつれて「今年が最後だから」「もう終わりだから」みたいな、まるでスノーボードを引退するかのような言葉が出てくる。学生時代から数えて15年くらいスノーボードをしている自分からするとその言葉が出るとなんとなく寂しい。そのたびにおれは「ライフスタイルとしてスノーボードは終わりとかないよ」みたいに答える。言われた学生のリアクションは２つで「なるほど」って感じと「あんまり言ってる意味が分からねえな」っていう感じだが、それは学生時代にどれくらいスノーボード沼にハマってしまったかの差でしかなくて、そもそも「今年が最後だから」みたいな言葉が出てくる時点で十分よく滑っている学生だ。すばらしい。誇ってほしい。
実は「社会人」という謎の言葉があるのは日本くらいだ。英語の直訳で社会人と全くイコールの単語はない(はず)。別に何歳であっても社会に参加しているし、「社会人として」みたいなフレーズを多用されるとなんだかテンションも下がる。少なくともおれは会社という牢獄に投獄されるような気分でいた。（10年前より多様性が進んでるから、今の学生はどう捉えてるかハッキリとは分からないが）
「働き手になると好きなことをやめて仕事だけをして生きていかなければならない」的なニュアンスで社会人という言葉を受け止めてしまうのはもったいない。仕事も遊びも全力でやればいいしやるべきだ。自分も社会人の序盤は新しい出会いと体験だらけで正直浮かれまくっていたし、それは普通のこと。ハジケまくって楽しめばいい。ただその中にスノーボードを少しだけ入れてほしい。別に「毎週やれ」と言ってるわけじゃなくて、シーズンに2~3回でもいい。雪山に行って、ギアを触って、仲間や恋人とちょっと滑るだけでいいから続けてくれると嬉しい。普通の学生たちが知らない快感や景色や感動をスノーボードを通してたくさん体験してきたはず。その体験は業界にとっても財産だし、その楽しさを一度知った人は日本のウィンタースポーツという文化を絶やさないための大切なキーマンなのである。だから、ライフスタイルの一部として、たまにでもいいからスノーボードを楽しんでくれるような人生を送ってほしいと思う。
なんかおれにジェイクバートンが憑依してるんじゃねえかという視点になってしまったけど、本気でそう思っている。
視座の高いスノーボードを諦めきれない新社会人へ
これはもう少し視座の高い新社会人スノーボーダーに向けて書いてみようと思う。自分のことを少し話すと、大学を卒業して、大手企業に就職したけど、漠然とプロスノーボーダーになりたい気持ちが消えなくて、勢いで会社を1年で辞めてワーホリで海外に行った。結論からいうと、そこまで０か１００かみたいな決断をしなくても、社会人でも上手くなれるということを伝えておきたい。フルタイムでも土日祝は休みだし、有給も上手く使えば年間滑走50日とかは滑れるし、そこにオフトレも併せれば技術の向上は目指せる。実際おれのスキルは学生後にピークを迎えた。
おれみたいに先に仕事を辞めて滑る時間を大幅に捻出しても、その後収入が伸びず結果的に滑る時間を圧迫することは実際にある。逆に仕事しながらモチベーションを失わずに頑張り続けることができれば、27~28歳くらいには仕事の実績とスキルもある状態になるので、実は学生時代より時間もお金も自由にコントロールできる幅が増えていて、めちゃめちゃスノーボードに時間投下できるタイミングが来たりする。ちなみにおれは時間を戻せるなら新卒からの3年間の過ごし方をもう少し冷静に判断して、時間単価が高いフルタイムの仕事に就けばよかったなと思う。その代わり、おもしろい経験ばっかりしてきたし後悔はしてないけど。
どういう判断を下すのかは当事者の性格にもよるので正解はなくて、選んだ決断を正解に変えていくしかないのは共通している。社会人の同調圧力に負けず、自分を見失わずモチベーションを維持できれば未来は明るい。諦めきれないから、社会人になっても「どうにかして滑る日数を増やそう」と考えているはずだ。粘ってやり続けてたら必ずいいことはある。
今年はダメダメだったけど去年報われた話も載せておく。
