Twitterで話題の気になる人、盲腸さんをインタビュー。社会人サンデーボーダーでありながら、オフトレを10年以上欠かしません。昨シーズンは自身のフルパートもリリースし、スノーボードを高いレベルで続けています。ライダーではなく、サラリーマンの盲腸さんから語られる等身大のストーリーは共感するところが多かったです。
それでは、みんなが1番気になる質問からはじめたいと思います!
盲腸さんって普段なにしてる人なんですか?Twitterでしか見てない人だと気になると思うんですよね笑
普通にサラリーマンだよ!都内で働いていて、基本スタイルはサンデーボーダーです。
サラリーマンと仰ってますが、雪山に結構いるイメージでです!年間滑走日数はどれくらいですか?
年間滑走は35日〜40日くらいかな。
なるほど、シーズンインは毎年、いつくらいですか?
まず、シーズンインは軽井沢プリンスとかイエティで人工雪を滑るね。そして1回滑った後は、キングスに戻ります笑。天然雪でのシーズンは、12月の奥只見がスタートかな。去年も確か奥只見だったはず。
人工雪の後、オフトレ施設に戻るのはさすがです!シーズンアウトはいつなんですか?
毎年、5月のゴールデンウィークくらいかな。かぐらか奥只見でシーズンアウトしてるね。
奥只見丸山スキー場好きなんですか?
基本的にシーズンインとアウトしか行かないんだけど、キッカーがあって、空いてるので好きです。
241:おれ奥只見いったことないので、ご一緒したいです。
スノーボードを始めたのはいつからで、どんなキッカケだったんですか?
大学生からだね。大学の先輩で、白馬乗鞍のペンションが実家の人が居て、そこに毎年遊びに行ってて。そこで「スノーボードやってみよう」くらいのノリで始めたよ。そこから3〜4年はそんな感じのスタイルでスノーボードをやってて、社会人1年目くらいまでは年5〜6回くらいスノーボードに行くような感じだったかな。
12月から5月のシーズン始めから最後までガッツリ滑るようになったキッカケってあったんですか?
スノーボードではないのだけど、サークルみたいな集まりがあって。ある日、スノーボードに皆で行くっていう企画があって、相乗りでスノーボードに行ったんだけど、その時に「複数人でスノーボードに行くと安い」ということに気付いたんだよね。それ以降、mixiのコミュニティを使って、相乗り仲間を募ったりしているうちに、滑走日数がどんどん増えていった。行けば行くほどスノーボードが楽しくなって、さらにキッカーを飛び始めると「上手くなりたい」と思うようになって、気付いたらその頃にはシーズン滑走日数が2桁になってたよね。
オフトレを始めたのも、それくらいの時期からですか?
最初はスケートをやってたんだけど、スノーヴァ新横浜の人に、「スノーボード上手くなりたいんだったらスノーボードやったほうがいいよ」って言われて、26歳くらいの時にスノーヴァ新横浜に通うようになったね。その1年後、27歳のときに千葉キングスができたよ。
241:盲腸さんが今、37歳ってことは本格的にスノーボードをやりはじめて12年くらい経ったってことなんですね。でも、よく考えたら自分もそれくらい経ってました笑。
盲腸さんといえばオフトレを欠かさないイメージですが、オフトレもずっと続けているんですか?
埼玉クエストができてからは結構そこに通ってたね。30歳の時に広島に転勤になった時は、最寄りのオフトレ施設が神戸キングスだったから距離が遠くて、そんなにオフトレできないかもと思ったんだけど、その後すぐに広島クエストができた。なので広島に転勤した後もどっぷりオフトレに浸かってたよね。広島には30~35歳の5年間居たよ。
広島にいらっしゃった時は、主にどこのスキー場で滑ってたんですか?
兵庫県のハチ高原とハチ北、島根県の瑞穂ハイランドはよく行ったね。でも、そこに行くのと同じ日数くらい、白馬まで滑りに行ってたよ。
241:それはすごいですね。広島から白馬ってかなり距離ありますよ。
盲腸さん:西側にいる人のほうが逆にハングリーだよね。西側って3月にシーズンが終わる。だから白馬とか北のスキー場に行くしかなくなるんだよね。東京に居ると、「パウダーだけ滑れればいいか」と思ったりするけど、関西より西側にいると「1日も無駄にできねえ」っていうハングリーなマインドになってくる。それで逆にスノーボードをもっと好きになったかもしれない。西側にも業界に詳しい人が何人か居て、そこにネタがいっぱいあって、Twitterの発信をはじめたね。広島はコミュニティも大きくなかったから、深いところまで入ることができたよ。
Twitterの発信っていつからやりはじめたんですか?
Twitterもスノーボードと同じ、25歳くらいからはじめたかな。
盲腸さんって、Twitter上でいうと社会人スノーボーダー代表みたいなイメージがあるんですけど、どんなプロセスで今のポジショニングになったんですか?
昔はTwitter上で、ライダーとの距離は遠かったし、情報もそんなになかった。元々Twitterにはたくさんスノーボーダーが居るのは知ってたけど、「みんな情報持ってるのに、あんまり繋がってないな」っていうのを思っていて。それを自分がリツイート機能を使って拾うようになったのがキッカケかな。リツイートなら簡単に情報をシェアできたし、それを見てスノーボードに詳しくない人に、色々情報を得てほしいなと思ってたよ。
241:なるほど、盲腸さんが得た情報をシェアするみたいな感じでやってたんですね。
盲腸さん:フォロワーが500くらいの時は好きなようにやってたね笑
盲腸さんといえばスノーボードの知識量だと思うんですけど、その知識の源泉はどこなんですか?
教えてもらって知識が増えたっていうのが源泉かな。Twitterしてると、LINEとかDMで「こういう情報知ってる?」って教えてくれたりする人がいる。情報を持ってるけど、それを話す人が居なかったりしてアウトプット先がない情報ってあるじゃん。そういう情報を僕とかに伝えてくれるのよ。もちろん、言えない情報もあったりはするから、できそうなやつを僕から発信して情報を循環させている。別にメディア気取りしてるわけじゃないよ笑
241:なるほど。やっぱり盲腸さんがスノーボードめっちゃ好きで、自身もちゃんと滑ってる人だからこそ、みんなの頭に純粋に情報が入っていくんだと思います。
盲腸さん:例えばどこかのブランドのライダーが自分のブランドのいいところばっかり発信し続けてると、ちょっとくどいなと思ったりするけど、僕みたいな一般人が発信するとそこまで押し付けがましくないでしょ。そこに一枚噛んでるクッション材みたいな役割だと思う。
241:盲腸さんとディープな話するの好きなんですけど、ここであえて好きなライダーとか影響を受けたスタイルとか知りたいです。
どういうムービーとかライダー見てきたんですか?
原点は国母カズだなあ。ビデオというか断片的にトランスワールドスノーボーディングとか読んで影響を受けたね。同じ日本人だったから深いところまで調べてみたりして、真七人侍とかね。だからライダーの入りは国母カズだね。そうやって1人を深ぼったりしていると、他のことも調べたくなって、HYWODとかSCLOVERとかFirst Childrenとかあるのを知った。あとライダーでいうと、ルドウィグレイケナーやら上村好太郎みたいな飛べるジバーが大好きだね。isensevenは今見てもかっこいいよ。
241:おれもisensevenは未だにバイブルですね、編集とか音楽含め。
印象に残ってるムービー(ビデオ)はありますか?
当時雑誌のFree runの付録だった「I ride park city」はめっちゃ見てたね。それが印象に残ってる。
241:おれもYouTubeで断片的に見てましたね。
盲腸さん:そういうムービーを見始めるようになると、スノーボードを見る目みたいなものがだんだん出来上がってくる。マックダウとか勧められても最初のころは、見方が分からなかったよね。見方が分からないっていうのは、例を言うとストリートとかビッグマウンテンとかだね。すごすぎて、自分に置き換えてイメージすることが出来ない。ストリートは見ればすごいの分かるんだけど、実際にジブをやってないとすごさが体感でイメージできない。だから当時はパーク主体の分かりやすいムービーがよかった。うろ覚えだけど、ホーグモのスタンダードフィルムから出てた一発撮りでパーク流すやつとか好きだった。
2015年以降、自分の滑りが確立されてきたあたりで、ようやく理解ができるようになったと思う。スノーボードリテラシーみたいなものは総合的に上がったかな。
なるほど、最近面白いとおもったムービーとかあります?
2005年とか2006年のDVDとかを見返してる。ジェレミー・ジョーンズとか、JPウォーカーの若い時のムービー。やってるトリックとかスタイルが複雑じゃなくてシンプルなのがいいよね。
盲腸さんは自分に置き換えてイメージする見方をするんですね
2015年くらいから、自分もストリートとかしてみて、ストリートがいかに大変なのかというのが分かった。「自分に置き換える」っていうのを他にも当てはめると、グラトリは特にそうだと思う。グラトリのシーンって昔はそこまで興味なかったんだけど、Twitterでグラトリ関連の動画を見かけたりして自然と入ってくるようになった。いぐっちゃんにフォローされてからは、さらに多くグラトリの情報が入ってくるようになったね。グラトリも進化していて、よりフリースタイルになっていると感じるよ。そうやって色々取り込んでいくうちに、食わず嫌いがなくなってきた。グラトリも楽しいし、山も楽しい。ジャンルレスに幅広くスノーボードが好きになってきてるよ。Twitterの周り人たちからも、そういう雰囲気を感じるよね。多様性が認められてきた。
241:世の中の流れに近いですよね。
盲腸さん:そういうスノーボードを応援したいなと思ってる。
241:盲腸さんの発信もジャンルレスですもんね。
盲腸さん:時代の流れだね。
盲腸さんは自身のライディングも手を抜かないイメージです。今シーズンの動きを教えて下さい!
昨シーズンに自分のフルパートは作ることが出来たから、今年は色んな人に会いに行きたいと思ってる。妙高杉ノ原だったら千葉くんがいるし、東北行ったら友達が居るし、岐阜行けばTwitter界隈の人がたくさんいるだろうし。活動のベースは白馬になりそうだけど、そこを中心に色んな人に会いに行きたいと思ってる。
241:スノーボードって全国どこでも知り合いが居るみたいになりますよね。この動き方ならインターネット上で盲腸さんのこと何回も見かけそうですね。
12年もモチベーション維持してやってこれるのが単純にすごいと思ってるんですけど、なにがモチベーションなんですか?始めたころと今では種類が違うかもしれませんが。
ただ上手くなりたいっていうだけだとどこかでモチベーションが切れると思う。サラリーマンって会社でいろんなストレスを受けるじゃん。仕事だけじゃなくて、ライフステージの変化ごとにいろんなストレスが溜まるのよ。でもスノーボードがあるからポジティブにメンタルを維持できるんだよね。スノーボードばっかりやってたらストレスフリーではあるけれど、現実は仕事もあるし家庭もある。合間を見つけないといけない。それが逆にハングリー精神を作り出してるっていうのはあるよね。「この日は絶対スノーボードして、キッカーであの技を決める」って決めて、月曜から金曜で仕事ちゃんと終わらして、金曜までに全部フラットな状態に持っていく。身の回りと自分のコンディションを整える。3-4時間運転して、その日にキッカーで技をメイクすると考えると、それくらいコンディションを整えておかないといけないのよ。
241:そして、その一発を決めるためのオフトレですもんね。紛れもないスノーボーダーですね。
盲腸さん:パークで技決めてなんぼだと思うよ。そのためにオフトレして、バチバチに決めて、若い子たちに「すごいですね」って言ってもらうのがモチベーションを保つ秘訣だもん笑。
241:俺はスイッチバック7は打てないっすもん。すごいですよ。
スノーボードで目標とかあるんですか?
毎年、何かしら新しいトリックを決めようと思ってる。去年は4方向720が目標だったけどBS720だけメイクできなかったんだよね。BS720は前の前のシーズンで立ててたから、オフにあまり練習してなくて。雪で決めれるだろうと思ってたけど決めきれず、ふわふわしたままシーズンが終わってしまったね。
241:毎年目標があるって、すばらしいと思います。
盲腸さん:今年はバックロデオ5をキメますよ。4月の栂池とかでメイクしたい。
最後に全国の社会人スノーボーダーの方々に一言とかあります?
もっと私生活もスノーボード漬けでいってほしい笑。オリンピックもあるし、恥ずかしがらずもっとスノーボードを話題にしていっていいと思う。そうやって話題にするうちに色々調べるようになって、「やるスノーボード」から「見るスノーボード」への興味も出てくると思うよ。まとめると、「もっとスノーボードの幅を広げて、いろいろ見てはどうでしょう?」という提案です笑。
241:大学生の時、私生活にスノーボード持ち込みすぎて、浮いてたのを思い出しました笑
盲腸さん参考情報
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盲腸さん20-21フルパート
20-21 KENTO from white collars on Vimeo.
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