インタビュー

「上手くなりたければ滑るしかない」変わらない哲学とライダーとしてのマインド┃千葉真人インタビュー 前編

今回のインタビューは新潟は妙高エリアを拠点とし、パーク・ストリートシーンをメインに活躍し続ける千葉真人さん(以下、マナトくん)。ここ数年はSNSとYouTubeの発信にも力を入れていて、見かけたことがあるスノーボーダーも多いはず。

プレイヤーとして最前線でビデオパートを残しつつ、自身のブランドのSNEAKYZを手掛け、パークディガーとライダー活動を両立。そんな行動力で業界を引っ張る存在になったマナトくんに241が聞きたいことを全部ぶつけてみました。

今回は2部構成になっていまして、前編では、昔の話を伺いながらスノーボード上達ために必要なことを語ってもらいました。個人的には「昔からかっこよかったんだぜ」っていうのが伝われば嬉しいです。

ライダーになったのって何歳くらいの時だったんですか?FORUM乗ってた覚えがあります。

そうそう、若い頃はずっとFORUMに乗ってたよ。ちょうどその頃、ビーズイーストっていう町田のプロショップがついて、そこで取り扱ってるブランドを乗ることになって。その時、ROMEかBATALEONの2択で、どっちも好きなブランドではあったんだけどショップの方向性とすり合わせてBATALEONのライダーとして活動していくことになった。それが24-25歳のときかな。スノーボードを始めたのが18歳の頃だったから、6-7年くらいでライダーになったね。

241:たしかにマナトくんBATALEON乗ってる時期ありましたね。

BATALEON時代の1枚 Photo by @kentarosnow

そこからROMEがスポンサーにつくまでどんな感じだったんですか?

BATALEONのライダーとして数年活動していたんだけど、自分がやりたいこととのズレが段々でてきて、一回ライダーをやめて自由に滑ることにしたんだよ。そのやりたいことっていうのはストリートとパーク。メーカーとショップからは、主にインフルエンサー的な動きをお願いされていたんだけど、その頃はまだそこに重きを置けないなっていう気持ちがあって。

その後自由にストリートとパークで映像を残したりしていたタイミングで、ROMEのライダーの話が自分のところに来たんだよね。もともとROMEに乗りたいと思っていたから「これはチャンスだ」って思ってROMEのライダーとして活動するようになった。それが27-28歳の時。

241:まさに満を持してって感じだったんですね。MYK BOYZの武田誠さんもROME乗ってましたよね。アツい。

妙高杉の原での1枚 Photo by @tqkqkun

昔から活動のベースはずっと妙高杉の原スキー場ですか?

そうだね。赤倉とか池の平の時もあったし厳密にいうと妙高エリアかな。

大会とかも出てましたか?

ジブの大会は結構出てたし、実はスロープの草大会みたいなのも出てたよ。

241:もしかしてFORUM JIB BATTLEとかですか?

FORUM JIB BATTLEの時は全然下手くそで出れなかったよ。Volcom Peanut Butterとかは出てたね。

241:イケてるイベントでしたよね。

Volcom Peanut Butter

滑りで影響を受けてきたライダーとかいましたか?

日本だとMYK BOYZのみんなとかその上の世代の人たちかな。あとはベア・マウンテンのローカルの滑りはいい影響を受けたよね。特にアンソニー・マゾッティ(Anthony Mazzoti)が好きかな。でも真似しようとかはなくて、いろんなライダーのスタイルを自分の中に落とし込んで、自分っぽくなるようには意識してきたね。

よく見ていたビデオとかありましたか?

DVDでいうとSCLOVERは見てた。海外ならBOZWRECKとかVIDEO GRASSとかかなあ。あとSunday in The Parkはチェックし続けてるね。

241:Sunday in The Parkには出演してましたもんね。

Sunday in the Park 2018: Episode 5

マナトくんはジバーのイメージが強いですけど普通にジャンプも上手いですよね

昔、結構やってた時期もあるからね。一個のジャンルしかできないスノーボードが好きじゃなくて全部楽しむというのは意識してる。最近だとグラトリの人たちと滑るタイミングがあるんだけど、そういう時はパークに行かず上手い人の真似してるよ。名前が売れてきちゃったライダーって練習してるところとか見せたくないっていう人も多いと思うんだけど、グラトリ上手い人にはやっぱり敵わないからコケながら教えてもらったりしてる。

241:めちゃくちゃ謙虚で素直な性格なんですね。俺なら変なプライドが邪魔しそう・・。

スノーボードがほんとに好きなんだと思う。全部上手くなりたい。だから自分に持ってないものを持ってる人と滑る時は、何かしらちょっとでも吸収してやろうと思ってるよ。

Photo by @tqkqkun

ライダーの中でもかなり貪欲で意識高い方なんじゃないですか?

もしかしたらライダーの中でも上位でスノーボード好きかもしれないね。オフトレも未だにめっちゃやってるし。あらためてスノーボードがほんとに好きなんだと思う。

241:ビデオパート残しながらブランドとイベントオーガナイズもやってライダーとして色んなところに顔だしてますもんね。たまに瞬間移動してる?って思いますもん。

貪欲に意識高くってのは結構大事だと思ってて「どうやったらマナトさんみたいにスノーボード上手くなれるんですか?」って聞かれることがあるんだけど、「週1-2で滑ってたら一緒のレベルにはなれないよ」って言いたくなっちゃうもんね。週6-7日とかで一時期はオフトレしてた。仕事の後スノーヴァでラストまで滑って、深夜1時とかに家着いて、次の日6時に起きて仕事行くみたいな生活をしてたなあ。そういうストイックさはあったほうがいいよね、若い時期はとくに。

241:その言葉がマナトくんから発信されてるのは説得力がありますね。

上手くなりたいなら滑るしかないのよ。

もし滑る時間がなかったとしてもイメトレも大事じゃないですか?

241:個人的な意見なんですけど、イメージできてないことって試すことすらできないじゃないですか。その引き出しがそもそもなかったら厳しいっていうか。昔に比べてムービー見る時間が減ったなって思うんですけど、昔は好きなビデオパート何回も見てこの動きがどうみたいなの研究してたなあって。俺はその貯金でスノーボードしてるようなもんです。

マナトくん:そうだよね、おれもめっちゃしてたよそういうこと。とはいえ、たかひろもまあまあ滑ってるよね。僕らの下の世代でそういうがむしゃらに滑る人がもっと増えてきてもいいなと思う。

世代を越えたストリートでの撮影後の1枚

241:自分らより下の世代でそういう人が少ないかもっていうところで、日本の場合スノーボード人口がここから爆増することはなさそうなので業界的にどういう方向に向いていくかって大事ですよね。

マナトくんがライダーとして動く中で「業界的にこういう風になっていったらいいな」みたいなことってありましたか?

全体的に時代の流れに付いてきてるとは思うんだけど、ライダー目線でいうと変にライダーを増やしすぎず、一人一人のライダーをもう少し大切にしてあげて欲しいなとは思う。業界を盛り上げるってことになってくると、エントリーユーザーはやっぱり大事。国産のブランドはかなり目を向けて頑張っている感じがするよね。

241:ここ2-3年は海外ブランドも、よりエントリーユーザーを意識してる感じがしますよね。

そうだね。エントリーユーザーに目を向けつつも、売れる部門ばっかりに媚びずにかっこいいスノーボードを伝えていけたらなとは思う。数字がある人ばかりをフィーチャーするんじゃなくて、かっこよさを表現し続けてるライダーも大事にして、そこにもスポットライトが当たればいいよね。そのバランスがすごく難しいと感じてるよ。

241:個人的にはそのバランス感覚が一番優れてるのはマナトくんかなって思ってます。

Photo by @yura_imamura
Part2へ続く。
Part2(後編)

参考:千葉真人 SNSアカウント

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https://twitter.com/MA7TeeeeeV/status/1460180958288625667

  • この記事を書いた人

Takahiro241

年間滑走100日の横乗りLOVER。スノーボード歴15年、サーフィン歴3年、スケボー歴8年。ランニング、サッカー観戦、カメラなど趣味が多いです。

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