インタビュー スノーボード

「雨の日だったら板が走る」最悪な日を最高の1日に変えるハングリー精神┃ライダー岡崎夢が乗れてる理由

雪が少ない岡山県を拠点に消防士として働きながらライダーとして活躍するカケル。雪に恵まれているとは言いづらい環境の中でも、持ち前の行動力を活かして4年足らずでライダーになりました。身体能力でゴリ押してきたのかと思いきや、実はバッジ検定1級を持つ超理論派。巷でよく聞く「まずはフリーランをしたほうがいい」を忠実に実行し、どんなコンディションでもリフトが止まるまで滑り続ける姿勢を貫いたことで、ハングリー精神の塊みたいなライダーが生まれました。そんな、西のエナジースタイル代表の岡崎夢(かける)を特集します。

いつも「スノーボードが楽しい」と語るカケル

昨シーズンから本格的にライダー活動を始めたと思うけど、スノーボード歴はどれくらいなの?

今26歳で、20歳前後の時にスノーボードをはじめました。シーズンでカウントすると今年が6シーズン目ですね!

241:まだ歴は浅いんだね。

カケルは岡山県出身で雪があまり降らないところだけど、スノーボードを始めるキッカケはなんだったの?

職場(消防)の先輩に誘われてはじめました。働きはじめて、まずその先輩と仲良くなったんですけど冬が近づくとその先輩に「冬はスノーボードするもんよ」って言われて。その先輩はガッツリスノーボードやる人で「冬はスノーボードしかせん」って言い切ってて、始めは「そんなわけないやろ」っていう気持ちで付いて行ってました。

241:確かに「そんなわけないやろ」って思うよね。その先輩がキッカケで、カケルのスノーボード人生が始まったわけや。

スノーボードを始めて間もないシーズン

そこからどういう感じでスノーボードにのめり込んでいったの?

1年目は瑞穂ハイランドっていう島根県のスキー場をメインに20回くらい滑ってたと思います。前述の先輩に付いて行ってたんですけど、「なんで自分はこんなに滑れへんのやろ」って毎回思ってて悔しかったのを覚えてます。

2年目からは1人でスノーボードに行くようになって、この年に滑走日数は50日くらいになりました。休みの日はスノーボードに全振りで。この時に先輩が言ってた「冬はスノーボードしかせん」の意味が分かりました。

241:2年目からハマり具合がすごいね。この時ってもうパークとか入ってたの?

その師匠から「若い子はパークとかグラトリって言うけどフリーランをまともにできんやつがそんなん入るな、まずはフリーランせえ」ってずっと言われてました。なので「めちゃ上手くならないとパークに入ったらあかんのか」と思って、ひたすらフリーランを頑張ってましたね笑。

241:その教えをちゃんと実行してたんやね。

フリーランの途中のフロントサイドターン、Photo by 241

2年目が終わった頃くらいからオフトレとかも始めたの?

2年目のシーズンが終わった後からオフトレをはじめました。具体的にはブリッジポートという施設でジブの練習ですね。オフトレ初年度でしたけど、行けば毎回上手くなるのが楽しすぎて、週3-4で通い続けました。日数だと100日近いと思います。

それだけオフトレをがっつりやったということは、3年目はパークの練習してたの?

はい。師匠と同じペースで滑れるようになったので、この年からパークにトライし始めました。滑走日数でいうとこの年も50日くらいで、オフトレでやってたことを雪で再現するのに苦労しましたね。でもパークを滑りつつも、「師匠と比べたら全然まだまだ」という自覚があったんで、この年もフリーランはめちゃ意識してました。

241:なるほど、フリーランを意識し続けてきてるから、板に乗れてる滑りをしてるよね。

その次のオフシーズンはどんな感じだったの?

ジブだけじゃなくてジャンプもしないといけないと思って、大阪キングスの月券を買いました。

241:岡山に居るのに大阪キングスの月券って行動力がすごいな。

移動は苦にならないです笑。まあそんな感じでオフトレに力を入れてたんですけど、4年目のシーズンはJSBAの検定1級を取るという目標がありました。

241:へー、そこはパークじゃなくてカービングなんだ。

師匠の師匠がテクニカル上がりで、その人にカービングの重要性を教えてもらってました。なので4年目はターンの理論を学んで、基礎・根本的な部分を固めるつもりでした。このシーズン中にバッジ検定1級取りましたよ。

241:身体能力でゴリ押してるのかと思ってたけど、着実に基礎を固めて上手くなってきたんやな。末恐ろしい。

Photo by @yuyaphoto711

カケルは岡山に住んでるけど、居るべき時に現場にいるイメージがあって、それは意識して動いてるの?

そうですね、常にチャンスは掴みにいこうと思ってます。去年だとBattle of Baseのライダーに選ばれたのは大きかったですね。BOBはカメラマンにそれぞれライダーが付いて2日間のストリートの撮れ高で競うんですけど、兵庫県の撮影のライダーとして立候補したら選ばれました。自分から動いて、一つのアウトプットが出た経験は大きかったですし、すごく価値があります。

夜勤明けで10時間運転して岡山から妙高にストリートだけ撮影しに行ったこともありますからね。

241:体力お化けだな笑

Photo by @ben_shirakawa
Photo by @yuyaphoto711
Photo by @yuyaphoto711

去年から本格的にライダーとして活動してると思うんやけど、昔からライダーになりたかったの?

4年目が終わった頃くらいから意識し始めました。自分にとってのライダーは、上手いのは当たり前で、かっこいい存在です。「この人みたいになりたい」とか「この人が使ってるギアを使ってみたい」みたいな気持ちにさせられるのがライダーだと思ってます。スノーボードの実力だけじゃなくて人柄とか色んなかっこよさが求められますよね。

241:なるほど、2010年前後くらいのライダーって感じの思想がいいね。

もちろん今の時代のこともしないといけないと思いますが、圧倒的かっこよさとスタイルを持ってる人がライダーになるべきだと思ってます。

241:いいね、ライダーになることで自分のスタイルが世の中に少しでも認められたって自覚できるよね。

今シーズン、新たに企んでることはあるの?

ストリートだけのフルパートを出したいと思ってます。今シーズンはストリートを撮り溜めて、来秋くらいには2-3分くらいのものをリリースしたいですね。できれば岐阜よりも西の映像も残して、それをフルパートに織り交ぜていきたいです。

241:おー、それめっちゃいいね。そもそも雪が降りにくいし、いつでもできる場所じゃないもんな。

Photo by @yuyaphoto711

岡山から移動してストリートもライダー活動もやるのってすごくエネルギーがいることだと思うんだけど、そのモチベーションはどこからきてるの?

あまり深く考えたことはないんですけど、横乗りが趣味や遊びを超えて、ライフスタイルの一部になってきてます。じゃあライフスタイルになった理由ってなんだろうって考えると、「楽しい」というところに最後は行き着きます。コンディションとか場所とか関係なくて、どんなところで滑ってても楽しいんですよね。スノーボード馬鹿です。ゲレンデコンディションが悪ければ、そのコンディションでできることをやる。どんなコンディションでも自分にとっては、滑らない理由になりません。晴れの日に滑るのだけがスノーボードじゃないと思ってます。

241:ほんとにハングリーでいいバイブス持ってるね、最高だわ。

Photo by @yuyaphoto711

終わりはないと思うけど、スノーボードでどこまでいきたい?

ベア・マウンテンのSunday in the Parkはよく見てるので自分も滑り手として出たいですし、それに値するライダーになりたいです。先のことはまだわかりませんが、海外のストリートにも挑戦していきたいですね。

241:日本のベア・マウンテン(ひるぜんベアバレースキー場)から本国に輸出される日を楽しみにしてるよ。

ライダープロフィール:岡崎夢

Photo by @ben_shirakawa

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参考:芝ジブ併設のプロショップ「BRIDGE PORT

  • この記事を書いた人

Takahiro241

年間滑走100日の横乗りLOVER。スノーボード歴15年、サーフィン歴3年、スケボー歴8年。ランニング、サッカー観戦、カメラなど趣味が多いです。

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