おれは数年に1回のスパンで日常生活に支障をきたすほどの大怪我をしている。ボルト抜く手術も合わせると5回くらい手術も経験。あらためてリストにしてみると回数が多い。
- 右膝前十字靱帯断裂
- 両手首の骨折
- 肩の骨折
- 右足の腓骨の骨折(足首)
- 口内裂傷(15針くらい?)
- 脳震盪で運ばれる
- 第2腰椎圧迫骨折→NEW
上記はなんの自慢にもならないのだが、これらを経験して1つ言えるのは上手くなりたければ「大きな怪我をせずに滑り続けることが大事」ということだ。怪我の期間は滑ることができないし、上手くなる機会を損失する。また、怪我によって恐怖心が煽られ怪我前のパフォーマンスにメンタル的に戻れないということも生じてくるだろう。
というわけで後輩たちには「怪我しないのも大きな技術」ということをずっと言ってきた。(おれはめちゃ怪我してるんだけどw)
とはいえスノーボードは、タイミングを見て攻めないと成功体験が積めない仕様になっている。そのタイミングの見極め方ってのが結構大事なんですわ。
241流の攻め時の見極め方
自分的には以下の4つの状況がクリアになった時攻めている(気がしている)。
身体的にストレスがない状況なのか
例えば、土曜日に47のキッカーで初トライの技をやりたいと計画していたとする。金曜日の夜、仕事が長引いて残業、あまり寝れずに早朝に出発。睡眠時間を欠いたせいでやや脳がぼーっとしている。
わりとあるあるな状況だと思う。気持ち的にはせっかくスキー場まで来たのだから当然トライしたい。はたして上記の例のような状態のとき、バイブスに体がちゃんとついてくるだろうか?
おれはやめといたほうがいいんじゃないの?と思う。でも例外もあって、若さでどうにでもなる場合はある。
攻める前には身体の状態が脳の指示に即座にレスポンスできる状態かどうかをあらためて確認してみてほしい。
メンタルに余裕はあるのか
スノーボードの上手さは滑走中の気持ちの余裕さに比例すると言っても過言ではない。47のパークで17メートルキッカーを平然と飛んでいるティーン達を見てもらうと分かるが、彼らからは余裕のオーラがだだ漏れている。気持ちに余裕があれば普段練習してきたことやイメージしてきたことに体がすんなり動く。
「そんな余裕なんかあるわけないだろ」と言われている気がする。おっしゃるとおり攻める時はキャパの限界ギリギリでスノーボードしてるはずなので余裕なんかあるわけないのだが、意識が1つのことに集中しすぎるとその部分だけにフォーカスしてしまってトータルで見てメイクできないということになる。できるだけ全体をイメージするメンタルの余裕が欲しい。
キッカーで360を回す時に例えると、「リップで体を開かない」だけに集中しているとリップ以降の空中のことを考えていないので、そこでトリックが終わっている。その先の景色が見えてないので、つまり立てない可能性が高い。
なので攻める時はその技の全体をイメージできる余裕があるかというのは大事にしたい。
イメージはできているのか
自分の脳内で完璧に腑に落ちてないと、攻めたとしてもいい結果になることはない。たまに「あの技をやりたいから教えてほしい」という相談を受けることがあるが、話してみると大体の人が理想の完成形すらイメージせずになんとなくトライしている人が多い。せめて自分がかっこいいと思っているスタイルくらいは脳内でメイクできるくらいイメトレしてないと再現は難しい。
ちなみに自分は学生の頃めちゃめちゃ好きな映像を見続けてその貯金で今スノーボードやってる感がるかな。社会人になると中々そういうイメトレする時間取れないんだよね。
覚悟ができているか
最後はここで決まる。「これで怪我しても誰のせいでも雪のせいでも無いし悔いはねえ」みたいな気持ちになってればGO。マジで最悪覚悟決まってれば上記3つすっ飛ばしてもいいんじゃないかとも思う。でも「気持ちさえ固まってればメイクできる」ってモチベになってる時は確実に上記の3つの項目は全部クリアになってるはず。
じゃあなんで241(筆者)は怪我したん?
これだけ論じておいて張本人は負傷したんですけど、俺の中では今話してきたこと全部クリアでした。なのでマジで悔いとかはありません。メイクできなかった悔しさはめちゃめちゃ残ってるが・・。
もう少し話すと、ダブルバックフリップって技をかけて怪我しちゃいまして「このシーズンが始まる前から条件が揃ったらトライしよう」という気持ちでシーズン中ずっと滑ってて、怪我した日はようやくそのタイミングが来たかという感じでした。30歳にはダブルバックフリップ立ちたいっていうのも薄っすらあったし、人生で挑戦できるタイミングなんてそんなにないから・・とか色んな感情はありまして。なのでタイミングとしては、あの日あの状況がベストだと思ってやって怪我したので本当にしょうがないというか悔いはないです。
またオフに調整して、メイクするまではできそうなタイミングを常に意識してシーズン過ごすことになりそうです。
みなさんも春パークでも油断せず、攻めどきを見極めて挑戦していきましょう。